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九重 (銘菓) : ミニ英和和英辞書
九重 (銘菓)[ここのえ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [く]
  1. (num) nine 
九重 : [ここのえ]
 【名詞】 1. ninefold 2. imperial palace 3. the Court 
: [おも]
  1. (adj-na,n) main 2. principal 3. important
銘菓 : [めいか]
 【名詞】 1. excellent cake 2. cake of an established name

九重 (銘菓) : ウィキペディア日本語版
九重 (銘菓)[ここのえ]

九重(ここのえ)は、仙台の菓子屋、九重本舗玉澤が製造販売する和菓子の飲料である。1901年から20世紀中葉までは仙台土産として代表的なもので、現在も銘菓として知られている。
九重は細かなあられ球の粒々に柚子ぶどう緑茶の風味をつけた糖衣を絡めたものである。袋から粒々を取り出し器に入れた後にお湯または水を注ぐと、糖衣が溶けて水に美しい色をつけ、あられが浮かびあがってくる。粉末ジュースのようなユニークな和菓子である。
== 歴史 ==

製造販売の玉沢(玉澤〔澤は沢の旧字。ウィキペディアでは歴史的語についても原則として旧字を常用漢字に改めて記している。現在の玉澤は澤の字を用いて同じ語句の中で字体を混用しているが、本項ではそのような混用が積極的に選択された戦後についてのみ澤の字を用い、戦前の記述では玉沢にする。〕)は、江戸時代に国分町に店を構え、仙台藩の御用菓子司だったと称する古い菓子屋であり〔石橋幸作「明治時代の菓子屋の変遷」(上)41頁に、仙台藩の御用菓子司は明石屋と玉屋の二軒だけで、他に御用菓子司と称するのは伊達慶邦時代に買い上げがあったのを誇張したものだとある。玉沢が江戸時代からの菓子屋であることは疑いを入れない。〕、明石屋、玉屋ともにない現在では、仙台でもっとも由緒ある和菓子屋である。九重の製法を創案したのは福島県会津の栗村千代吉で、栗村から製造販売の許しを得た玉沢伝蔵が、売り出す前にまず1901年(明治34年)の陸軍大演習で仙台に来た明治天皇に献上した。そのときお供の東久世通禧に付けてもらった名が、九重である。
玉沢からは1913年(大正2年)に近江嘉尾留がのれん分けして名掛丁に駅前玉沢を開き、本家ともども九重を製造販売した。ところがその後、本家の玉沢老舗は借金で潰れてしまった。営業権を得た清野間太郎が興した玉沢総本店が九重の製造販売を続けたが、栗村に対する契約上の義務をめぐって駅前玉沢も交えた訴訟になり、玉沢総本店は敗訴した〔大山勝義『みちのくの菓匠たち』70-72頁。〕。
1941年(昭和16年)に両玉沢を含め仙台の既存の菓子店は企業統合の対象になって一度断絶した。その後も砂糖が入手できずに菓子業が不可能に近い時代が続いたが、1950年(昭和25年)に近江嘉尾留の子、近江逸郎が九重本舗玉澤を南町通りに開き、九重の販売を再開した〔大山勝義『みちのくの菓匠たち』72頁、289頁。〕。延宝3年(1675年)以来の老舗を名乗り、仙台とその周辺各地に店を置いて現在に至る。玉澤総本店も仙台の和菓子屋として栄えているが、九重など古い玉沢に関わる菓子は作っていない。
20世紀中葉まで、九重は仙台土産として第一に挙げられるような銘菓であったが、後には萩の月のほうが有名になった。萩の月のような半生菓子は、そのままでは品質が低下するので、包装・保存技術の進歩を待って初めて土産物・贈答品として登場した。九重を今ではほとんど途絶えた粉末ジュースの一種とみれば、首位の交代も時代変化の一部と言えそうである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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